ドミニオン考察(3)

前々回からの続きです。


【ゲームをする上でのポイント】
・早期に圧縮可能か


ドミニオンで圧縮とは、主に弱いカード(屋敷や銅貨)を廃棄することを意味します。
別の手法でカード1枚当たりの価値を上げることやドローを組み込むことを圧縮ということもあるでしょう。
圧縮は重要な考え方ですが、けっこうシビアな問題でもあります。
大抵の場合、カードを廃棄するということはその時点で手札を減らしていることになり、短期的に見ればマイナスな要素も持つからです。
(この問題を単純化した例では礼拝堂圧縮vs鍛冶屋財宝プレイがあります)
圧縮にこだわりすぎによる手の遅れや、泥棒や仮面舞踏会での致命的なロスも考えなくてはなりません。しかしやはり、圧縮は強力です。


確実に言えるのは、圧縮は早い時期に行うとが効果が高いということです。
早いうちに圧縮を進めるとその後何度もデッキが周るからです。圧縮がデッキ周回を呼び、さらなる圧縮をもたらします。
逆にいえば、デッキが厚くなった後半で圧縮してもあまり効果は見込めません。
なので、コスト2〜4の圧縮カードはそれだけでかなり使いやすいでしょう(確実にデッキ1周目で買えるので)。
コスト5以上の圧縮カードは強力ですが、そもそもコスト5以上のカードは圧縮をしないカードも使いやすい(生産力もある)ので
そちらを買ったほうがいい、ということも十分考えられます。
また、中盤以降屋敷を廃棄したけれども、代わりに得たカードが大して手札に周ってこず、屋敷の1点差で負ける…ということも往々にしてあります。


ここは本当にシビアな問題で、呪いが入ったからと対症療法的に改良を買うよりは、公領を買ってしまった方がよほど良いなどということもあるでしょう。
特に繁栄や植民地入りだと植民地や拡張、鍛造が入って悩ましいところもありますが、基本は「ここで圧縮したらあと何回デッキが周るか?」ということになるでしょう。



圧縮の手法や定石については個別カードやサプライ解説などでやることとして、圧縮可能な場のときに考えておくべきことがあります。
圧縮するということは、カード1枚あたりの価値が上がるということです。
当たり前ですがここが重要で、つまり圧縮した状態だとドローカードの価値もまた上がるということです。
例えば礼拝堂で圧縮した状態では金貨より研究所の方がコインを生むなどということはよくあります。鍛冶屋や議事堂ならなおさらです。
議事堂は相手のカードも増やしますが、この時より得をするのはやはりカード1枚あたりの価値が高い方(さらに言えば+1buyが活かせる側)となるでしょう。


逆に、圧縮を進めていると呪いや銅貨、勝利点が1枚増えたときの打撃も大きくなります。
とは言ってもそこまで圧縮をしているなら呪いや銅貨の廃棄はしやすいと思いますが、勝利点をあまりに早く買いすぎると通常より失速も早くなるので
そこは考えておいたほうが良いでしょう。




・アクションがつながるか

当たり前の話ではありますが、カード単品としては+アクションがついているカードよりついていないカードの方が強いです。
鍛冶屋と研究所のコストと効果を比較すれば一目瞭然ですね。


銀貨を買えば+2円の生産をします。村はアクションを増やすけれども、それ以外は実質何もしていません。
それでも村を獲得するのは、アクションを消費する、強力なカード(例えば鍛冶屋)を複数使いたいからです。
+アクションカードを使うのは、アクションカード同士の相乗効果が見込めるか、デッキが安定化する(これも広義の圧縮と言える)からです。


では、どちらが良いか。
大雑把に言うと、時間がある場合(展開が遅い場合)は+アクション系が比較的入り込みやすいです。(植民地入りの場合はさらに。)
ただし展開が遅い場合でも、デッキが厚くなりがち(カード廃棄がしにくいのにカード押し付けカードがある場合など)はコンボがしにくく微妙です。
属州しかなく、有力なコンボもない場合は+アクションでつなげるよりも銀貨金貨と単発アクションの方がいいなんてことはよくあります。
先に挙げた鍛冶屋−銀貨や中庭−中庭がいい例ですね。民兵や船着場、幽霊船なども単独で確かな強さを持っています。
(船着場などはコンボにしても強そうに見えますが、持続中に山札が尽きるとロスにもなるためここで書きました。実際にはどちらもいけます。)


+1〜2アクションのカード数、廃棄できるカードの種類(上記圧縮の項と関連)、アクション消費カードの強さが確かか。
そしてアクションをつなげるためのドローエンジン(村系+鍛冶屋でも、研究所でも、玉座の間と貴族でも)があるか。

このあたりを考えてアクションがつながりやすい場であるか、またはアクションをつなげる必要がある場かどうかを見極めましょう。



何だか後半は手抜きな気もしますが、要点だけ抑えていればある程度の強さは身につくんじゃないかな〜と思います。
この一連の記事が「ドミニオンには慣れたけどもうちょっと強くなりたい」という人にとって少しのヒントにでもなれば幸いです。