ドミニオン考察(2)

【ゲームをする上でのポイント】


前回の考察の続きです。書くのが遅くなったのはただの怠惰です・・・


【ゲームをする上でのポイント】
・ゲーム終了までにかかる時間(ターン数)を推測する。できれば勝利ライン(点数)も考えられると良い。


触れられることが少ない気もしますが、これ、ある程度慣れた人にとっては重要ポイントです。
カードの効果やコンボを把握していても勝率が伸びない人(大勝ちすることはあっても安定しない)は、
大体この「環境」を軽視している気がします。


この要素を語り尽くすことはなかなかできませんが、大まかなところだけ書いておこうと思います。


カッコ書きでは「ターン数」としましたが、本当にターンを数える必要はなく、
この場は速いのか、遅いのか、普通なのか、終了までかかる時間を4〜5段階程度で考えておけばOKです。


この要素について、考えた方が良いであろうことを挙げます。



1.アタックカードの有無
2.特にスピードの出るカード(戦術)があるか
3.4人戦か、3人戦か、それとも2人戦か
4.3山切れが起こりやすい環境であるか
5.その他いろいろ(相手の性格、ゲーム中のツキ加減など)


1.アタックカードの有無
もっとも影響する要素です。
もちろん、アタックカードがあるかないかの2択ではなく種類、数によります。
海の妖婆(基本セットなら魔女)ならかなり展開は遅くなるし、大衆(役人)だけがあっても場大きく遅延することは稀です。


これに限らず、ゲームの速度を考えるにはほかの要素と複合的に考える必要はありますが、
やはりアタックカードというのは他人に与える影響が大きいため
実際に使われるかどうかに関わらず展開を考える上で大きな影響を与えます。


これ以上突っ込むと具体的な話ばかりになるので、一般論としてひとまずここで終わります。


2.スピードの出るカード(戦術)があるか
運の悪さやアタックの影響を受けはしますが、あるカードがあれば成立し、しかも単純に速いという作戦があります。
そういった作戦が可能なサプライの場合、それ以外の(例えば軽く圧縮してコンボ狙いの)作戦でいくとき
その速さに対抗できるかどうかは考えておいた方が良いです。


例としてはいくつもあると思いますが、簡単なものをいくつか挙げます。


1)初手中庭−中庭
中庭の特性により5−2でも4−3でもスタートでき、3ターンからドローカード(もちろん中庭)を
使える可能性が高く、さらに中庭を同時に引いたときの被害が少ないため相当に安定した展開を期待できます。
やってみればわかりますが、かなりの確率で13ターン属州4枚、あるいはそれに準じた点数に届きます。
コツとしては、金貨を1枚買った後は8円出た場面で属州に向かうこと。
属州を買った後に金貨を買えるケースもありますし、最終的にも金貨2−3枚もあれば大体足ります。
先述したように、妨害が少ない場だとあっという間に属州が切れるので、特に4人戦では躊躇している間(金貨を貯める余裕)がありません。


2)初手鍛冶屋−銀貨
ここで説明する必要がないほどあちこちで言及された作戦で、鍛冶屋以外のアクションは使わないプレイです。
最初に鍛冶屋を引くタイミングを始め、中庭よりは運に左右されやすいものの、
平均的な速度がかなりのものになるためこれだけで勝ててしまうゲームも少なくありません。
いくつかの研究によると、自動プレイで属州4枚を買うのにかかる平均ターン数が15弱らしいです。
体感的には、2枚目の鍛冶屋投入タイミングを適切に選べればもう少しいいスコアが出せる気がしています。


3)礼拝堂+銀貨+α
礼拝堂があって他人への妨害要素が少ない場合、属州が売れ始めるとあっという間にゲームが終わります。
実際に礼拝堂を入れたときのプレイを考え出すとけっこう奥が深いのですが、
私自身もまだわからないところが多いのでここでは触れないことにします。
αの部分はいろいろ考えられますが、単純にドローカードが入るだけで十分なことも多いです。
デッキの強化しすぎ(高圧縮にこだわりすぎ)により、属州を買い負けるパターンも多く見ます。


3.4人戦か、3人戦か、それとも2人戦か
プレイ人数はゲームの展開スピードを変えます。
まず、4人戦では勝利点カードをはじめ、1人が買えるカードが純粋に少なくなります。
たくさん買っても問題ないカードが多い場合、あるいは追加獲得のあるカード場合などは3山切れもすぐに見えてきます。
3人戦では、勝利点カードの割り当てが1人4枚なので時間に余裕ができやすく、
先に属州(植民地)を4枚取っても失速すると比較的負けやすいのが3人戦です。
(とはいっても、先に4枚取れると有利なのはもちろんです。)
2人戦の場合、勝利点カードについては3人戦と同じですが先に4枚買えばかなり優位なこと、
王国カードが切れにくく(1種類を均等に取っても5枚)、3山切れが起きにくいのが特徴です。


一般的には、ゲームが終わるまでの速さは、速い順に4人戦>2人戦≧3人戦と考えると良いでしょう。
3人戦の方が3山切れ自体はおきやすいですが、2人戦の時より属州(植民地)数のハードルが僅かに上がり、
またアタックカードを使われる可能性も上がります。
もちろんこれもケースバイケースで、幽霊船があったりすると4人戦の方が展開が遅くなる、なんてこともあります。


4.3山切れが起こりやすい環境であるか
他の要素とかぶりますが、ゲームスピードを考える上でここを軽視すると痛い目を見ることがあります。
例えば「仮面舞踏会、大広間、玉座の間、鉱山の村、鉄工所、護符、石切り場、祝祭、船着場、行商人」
こんなサプライで4人戦をやったら、あっという間に2山が切れそうです。
3山切れが見えてきたとき、アドバンテージを持つのはその時点で勝利点を稼いでいる人です。
そう考えると、自分もアクションデッキの流れに乗りつつ大広間を獲得するか、属州(植民地)に向かいつつ3山切れを牽制するかはよく考えた方が良いでしょう。


呪いカードを押し付けるカードがある場合は大抵呪いも切れるので、勝利点を買うタイミングの見極めがさらに重要となります。


5.その他いろいろ(相手の性格、ゲーム中のツキ加減など)
何度か一緒に遊んだことのある相手とやる場合、癖というものが見えてくると思います。
あるいは、デッキ2〜3周目までのプレイを見ていれば何か気付くことがあるかもしれません。


誰かが不運で属州争いから脱落したなら当然勝利ラインは上がるはずですし、
アタックとしては弱めの大衆や密偵でも大量に売れればその影響は大きくなっていきます。
すべてを一まとめにして言うことはできませんが、この辺りも考慮してデッキを組んでいけると勝率も上がるし、
ドミニオンのさらなる楽しさを感じられるようになると思います。


勝利ラインについても軽く触れておきますが、ゲームが終わるまでにどのぐらい時間がかかるか、ということと
追加勝利点カード(庭園、大広間、公爵、ハーレム、貴族、島、VPシリーズ)でどの程度の加点、
あるいは展開の変化があるかを考えておきましょうということです。
大広間辺りであれば何かのついでで獲得(例:鉄工所)orアクションコンボ(例:共謀者や宮廷)のこと、
庭園があれば3山切れになりそうかのチェックをし、なさそうなら属州を買いつつ
「ギリギリで属州買って息切れしてもまだ効率いい勝利点を買えるな〜」などということを考えておきましょう。
公爵、ハーレムなどはかなり悩ましいものがあるのでうまく書けません。どなたか教えてください(笑


以上、ポイントというには長くなりましたが書いてみました。
目的は展開の速さ、遅さを推測し、どのぐらいデッキを作りこんでいく時間があるかを見極めることです。
つまり、展開が速い場合は時間がかかる圧縮(2周目交易所や鉱山など)をしている場合ではないし、
勝負が長引きそうなら焦って得点に向かわなくても良いということです。


本当は実例が上げられれば一番良いのですが、やったとしても考察が終わった後ですね。
そもそも実例を挙げられるほどの実力はないかもしれませんが(-_-;)